洗顔に関するよもやま話

動物園のオランウータンが、濡れタオルを上手に使って顔を拭うという。
オランウータン(タオルをしぼって顔をふきふき)
https://www.youtube.com/watch?v=OMFRZn6HpyA

テレビ番組で「飼育員がやっているのを見て真似をするように」と紹介されていた。
「そうか、飼育員は日本人だもんね」と思った自分にちょっと笑ってしまった。

洗面台で顔を洗う時、両掌で水を受けて、それを顔にパチャパチャッと当てて洗うという方が大多数だと思う。
ところが台湾人はというと、おもむろにタオルを濡らして緩く絞り、広げて顔に当てると、手の位置をそのままに頭の方を動かすのだ。
夫も義弟も義弟の彼女もそうしていた。
台湾ドラマでも台湾映画でもそんなシーンがあるはずなので、いま一度よぉ〜く見てみて欲しい。

以前勤めていた会社の台湾人社長から聞いた話。

戦時中、国際スパイが暗躍していた。
日本軍が中国人スパイと思しき人物を捕らえたが、よく訓練されていて流暢な日本語を話すため、全く尻尾が掴めない。
だがある朝とうとうスパイと断定することができた。

頭の方を巡らせて顔を洗ったから、というオチだった。
ネットで調べてみたら似たような話がヒットした。
中国人スパイだったり日本人スパイだったり。朝鮮人スパイという設定もあった。

件のオランウータンも、タオルを水に浸して後、キュキュッと絞って顔周りを拭っている。
さっと手を振って絞ったタオルを広げる様などは人間さながらだ。
周りの大人がやる様子を見て子供は自然とそれを真似る。

当たり前だと思っていることほど、違いを発見したときのカルチャーショックは大きいけれど、それを目の当たりにし続けると、他者との違いを受け入れやすくなるのかもしれない。
「若いうちに海外へ行け」と言われるのは、そういうことなんだろうと思う。

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中国語:間諜(ㄐㄧㄢˋㄉㄧㄝˊ)
日本語:スパイ

Last Updated on 2021年9月1日 by