運転が荒い台湾ドライバーとその笑い話

台湾のドライバーは運転が荒い。と感じる日本人は多いだろう。
前の車との車間距離も狭いし、ウインカーを出さずに道を曲がる人もままいる。
車の運転が荒いことによる笑い話もある。

小明搭一計程車,司機開得很快,經過信義路口時,遇到黃燈時,司機很快的衝過去。
小明大叫說:「剛是黃燈耶!好危險喔!」
司機說:「安啦!我哥哥他啊,闖了十幾年都沒事」
說著說著又到了仁愛路口,遇到了紅燈,司機又闖了過去。
小明:「實在是太可怕了!是紅燈耶!……」
司機回答說:「安啦!我也闖了十幾年也都沒事……」
到了忠孝X路口,碰到了綠燈,司機卻突然煞車。
小明:「咦?前面是綠燈為什麼停下來﹖」
司機:「等一下我哥哥會從那邊闖過來啦!」
小明:「@#$$%^&&*……」

(出典:闖紅燈的計程車司機)

訳すとこんな感じ。

明くんが乗ったタクシーの運転手はかなりのスピードで飛ばす人だった。信義路の交差点に差し掛かったとき、信号は黄色だったがそのまま通り過ぎた。
明くん:「黄色だったよ!危ないなぁ!」
運ちゃん:「心配すんな!俺の兄貴なんて何年も信号無視してるけどなんともないんだから」
なんて話をしているうちに仁愛路の十字路に。今度は赤信号だったがタクシーはまたそのまま通り過ぎた。
明くん:「怖いなぁ!いま赤だったよ!……」
運ちゃん:「心配すんな!俺だって何年も信号無視してるけどなんともないよ……」
忠孝X路の交差点ではちょうど青だった。が、運転手は急にブレーキをかけた。
明くん:「へ?青なのになんで停まるの?」
運ちゃん:「俺の兄貴が信号無視して飛び出してくるからだよ!」
明くん:「@#$$%^&&*……」

台湾人自身が笑い話にするくらいだから、それはもう本当に運転が荒いのだ。
バスも然り。ドアが閉まりきっていないのに発車したりするので、乗り降りも素早く!が基本。
前後左右に激しく揺れる車内での移動は、信号待ちを上手に利用するのがコツだ。

台湾のバスの話を続けるけど、バス停では手をあげて乗る意思を示す必要がある。じゃないと素通りされてしまう。
私が手を挙げると、おばさま達に取り囲まれることが多い。
私は身長が170cmあるので、おばさま達と比べると頭ひとつ分高い。ツアーガイドさんの旗よろしく「バスはここ(私)を目指して停まるだろう」と思われていると思われる。
役に立っているならそれはそれで構わない。

いまでこそ車内表示板で「次は○○停留所」と表示されるようになったが、私が台湾で暮らし始めた2000年当時はその表示板もなく、車内アナウンスがあるわけでもなく、通り過ぎるバス停を目視で確認して、バス路線図と照らし合わせて目的地までの距離を測らなければならなかった。
大台北(台北市/台北縣(現新北市))のバス路線を網羅した200元ほどのバス路線案内本は必携だった。
いまはスマホとGoogleマップのおかげでバス利用が格☆段!に便利になった。

日本のバスはとても親切だ。手を挙げなくても停まってくれるし、座るまで発車を待ってくれるし、降りる時は「停車してから席を立て」と言ってくれる。
そうした背景にはバス車内での事故があったことも知っている。台湾でも似たような事故が発生しているのだけれど……

台湾の道交法でも歩行者優先となってはいる。
けれど、車が幅を利かせている感は否めない。
観光でやって来た日本人の友人と街歩きしている時に、横断歩道の信号が変わった途端、友人が躊躇なく車道に飛び出したときは「ちょっと!危ないよ!」と声が出た。キョトンとした顔をしている友人を見て 所変われば品変わる とはこういうことかと感じた。
昨今は日本も高齢ドライバーによる悲しい事故が多いということも鑑みると、運転が荒いかどうかはさておき、赤信号で飛び出してくる人から自分を守る という発想もあながち間違っていないのかもしれないと思ったりもする。

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中国語:闖紅燈(ㄔㄨㄤˇㄏㄨㄥˊㄉㄥ)
日本語:信号無視


 

Last Updated on 2021年6月29日 by