台湾の改名事情と実際に改名してみたら

台湾では改名が認められている。各人等しく3回まで。
改名後は身分証から銀行口座名義など、さまざまな名義変更が必要になるけれど、台湾では結婚による改姓の習慣がないから、これらは改名した人だけが必要になる作業だ。

私の友人の中で、改名経験者は少なくとも四名。
改名の理由は主に開運。
健康に不安があったりとか、度々事故に遭うだとかの理由で改名する人が多いかな。
生年月日から字画を割り出すのだけれど、改名経験者の友人は「未年だから」ということで、草冠の漢字をあててもらったそうだ。「食料となる草が豊富で常に満足」ということらしい。
美人さんなのだが異性運がイマイチだったことを気にして改名したそうだ。
名前がもたらす要素(正負含め)の凸凹を整えて悪い縁から遠ざけるという解釈で、結果的に結婚運が上がるということなのだろう。

改名しても、それが周知されなければ意味がない。
戸籍上だけ変わっていても、これまで通りの呼び方をされていたら意味がないのだ。
声に出して呼んでもらって初めて改名の効果を発揮する。
まさに言霊。
だから、改名してからすることは「今日から○○って呼んでね」と友人知人にお願いすることだ。
転職を機に改名する人も多そうだ。

実は私自身も改名経験者。
結婚して台湾で入籍するときに中華風の名前をつけた。
2003年当時、外国籍の配偶者は三文字(姓1字/名前2字)で登記するということになっていて、「旦那の姓+日本名の名前」の日本スタイルにしてもよかったのだけれど、せっかくなので姓名診断をお願いして台湾で登記する名前を決めた。
日本の戸籍には日本名、台湾の戸籍(配偶者の戸籍の備考欄)には中華名となっているので、正確には「本名が二つある」状態だけれど。
日本と台湾で全く違う名前になったけれど、日常生活では特に不便はなかった。
永久居留証に中華名(+日本のパスポートNo.とローマ字の日本語名)が記載されて、それを以って銀行二行と台湾の運転免許証の名義を変更した。

ただ、日本の役所に子供等の出生届を提出する時にちょっと困ったことになった。
出産した病院で出してもらった出生証明書には、母の欄に台湾の私の名前が記載されている。
これを日本に提出しても、「私」が産んだことの証明にならない。
永久居留証を補完したとしても、日本の役所にはローマ字名の登記がされていないから、提出資料としてはやっぱり弱い。
というようなことを台湾の役所に相談しに行ったら、「改名証明書」なるものを出してくれた。
と言っても、私の中華名と日本名とパスポート番号、「同一人物であると認めます」的なことを自分で手書きしたものに役所のハンコを押してもらっただけのものだけれど。
それでも、この証明書のおかげで事なきを得ることができた。

私が入籍した2003年より以前では、日本名をそのまま使用できたと聞いている。
三文字縛りになったのは、私は東南アジア系のお嫁さんが増えたからではないかと思っている。
例えば、アーノルド・シュワルツネッガー を漢字の当て字にすると、阿諾・史瓦辛格 などと表記する。
通常三文字(多くて四文字)の名前欄にこんな名前が入力されるとなると、いろいろ不都合も発生しがちだろう。
役所の担当窓口のおばちゃんの負担も想像できる。
なので、外国籍の配偶者の名前は一律三文字!ってことにしたんじゃないかな……と。

この記事のために少し調べてみたら、日本での改名も、思っていたほど難しくはないようだ。
台湾ほどカジュアルにはいかないようだけれども。
台湾スシロー「サーモンさん無料」に改名者続々 南部の首長が海鮮自慢展開|フォーカス台湾

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中国語:鮭魚(ㄍㄨㄟ ㄩˊ)
日本語:シャケ、サーモン


 

Last Updated on 2021年8月5日 by