間違い電話の相手に「間違いだ」と言っても信じてくれない

一回だけ、本当にしつこい間違い電話があった。
こちらが間違いだと言っているのに、一方的に話し続ける相手。
埒が明かないと思って途中で電話を切ったところ……

電話に出ると、開口一番「蔡○○小姐嗎?」と聞かれた。
違うので「違いますよ」と応える。
「え?本当に蔡さんじゃないの?本当に?」としつこい。
直筆の申込書だかが手元にあって、それを元にかけてるのかもしれないけど。
何の会社のどんな用件かも興味ないし、なんかいつまでも話し続けてるから、そっと電話を切った。
そしたらすぐまた着信が。

出てみるとさっきの女性。
「あんたねぇ!親がつけてくれた大事な名前なのに、しらばっくれて別人のフリなんかして!」とかなんとか威勢がいい。
台湾の改名事情については こちら(台湾の改名事情と実際に改名してみたら)で書いたけれど、改名が当たり前の台湾人に名前について叱責されてしまった。これはいよいよ埒が明かなくなってきた。

やれやれと思いつつ、「違うわよ。だって私、日本人だから(だから蔡某のはずないでしょ)」と言った。
すると「よくそんな嘘をつくわね。だったら日本語で話してみなさいよ」。
ふむ。そうきましたか。
煽られるまま「私は日本人です。名前は**本名**です。中国語を学ぶために台湾へ来ました」と日本語でベラベラベラっと一気に喋って一呼吸。一瞬の沈黙の後、電話を切られた。

罵るだけ罵って勝手に切るとは!アッタマ来た!こー言ってあー言ってギャフンと言わせたる!とシミュレーションしながら着信履歴を繰るけど、何て会社の誰だったのかちゃんと聞いてなかったから覚えていない。どうしたもんかとイライラ、モヤモヤ……
まぁ、相手も相当焦ったに違いない。
「あれ!?本当に日本人?」「マジで間違い電話だった!?」と、今頃やっちまった〜と思っているだろう。
「日本人のくせに中国語がうますぎるのよ!」とか同僚に愚痴ってるかもしれない。
(自画自賛失礼!)
そういうことにして矛を収めることにした。

ところで、私、普段はしれっと台湾人のフリをしています。
気付かれなさすぎて、バス乗り場や病院の待合室なんかで、台湾語でずっと話しかけられたりします。

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台湾語:わ べˇ ひゃおˋ ごんˋ たいˊ ぎぃˋ(中国語:我不會講台語)
日本語:ワタシ タイワンゴ ハナセマセン


 

Last Updated on 2021年8月5日 by