【中国語怪談話】光復男子寮/力行校区/勝八女子寮、寧静湖
今回ご紹介する中国語怪談は、成功大學にまつわるお話と、中正大學にまつわるお話の二本立てです。
本文
『成功大學–光復男宿、力行校區、勝八女宿』
成大裡的光復男宿在[1]日治時期是刑場,「人字形」的建築外觀、在搭上紅磚外牆,頂樓俯瞰就像個「八卦陣」。這裡傳聞有「穿牆人」的故事,某天[2]整排房間的住宿生都同時看到不明的白色物體橫越房間,大家都嚇到[2]整晚都不敢睡覺。
而社科院所在的力行校區,過去是「日軍台南衛戍病院」,改建之前[3]仍保有原手術室、消毒室及太平間等建築物,很多學生都分享過在這裡遇到的靈異事件。
位於勝利校區的勝八女宿則有「暗黑十字架」傳說。相傳[4]某屆[5]學姐用房間內的吊扇上吊自殺,此後該間房間的前後左右空間都有出現靈異現象,最後也都成為空房。入夜後因為只有這幾間房暗著,看起來像是黑十字架。後傳校方有請道士來處理,並且將房號重新安排,消除學生恐懼。
『中正大學–寧靜湖』
中正大學校址本來是大片甘蔗田與墓地,所以在學校附近發生恐怖的[6]鬼打牆事件也都時有所聞。校內的寧靜湖就有傳聞以前有位[5]學姊投湖自盡,所以夜晚經過湖邊時,會看到學姊身穿白色上衣「遊湖」的身影,也有[5]同學聽到湖中有人在唱歌。
除了校內,學校周邊也聽說可以看到鬼火。有學生分享過晚上騎車時看到地上[7]有類似鳳梨的圓形物,但近看才發現是[8]詭異的人頭,嚇都嚇死了。
<出典>
NOWnew懶人包
https://onepage.nownews.com/novel/strange/taiwan-university-ghost-story
解説
[1]日治時期
ここでは「日本統治時代」と訳しています。
この話の舞台は「日本統治時代の処刑場」となっていますが、台湾における日本統治時代は明治28年〜終戦までの50年間。「江戸時代ならさておき、昭和の時代に処刑場?」という違和感が強く、調べてみたところ、軍の処刑場跡ではない可能性の方が高そうです。
軍隊の暴力的なイメージと、戦時中の日本軍の強行(主に外省人の記憶?)がかけ合わさって「軍の処刑場跡」と伝えられるようになったようですね。
[2]整排/整晚
ここでは「その階の(寮生全員が)」/「その夜は(一睡もできなかった)」と意訳しています。
ここで使う「整」は「集合体」を表しています。
「整」を使うことで、「まるっと全部」という意味を強調します。
<整~>を使った例文
我一整個禮拜都窩在家裡。
(一週間ずーっと家にいたよ。)
我整個人已經被台化了。
(すっかり台湾人っぽくなったよ。)
※「整人」という全く意味の違う言い回しもあります。
現在YouTube上介紹很多整人的方法。
(YouTubeにはいろんな悪戯映像がアップされている。)
[3]仍保有
ここでは「~がそのまま(残されていた)」と訳しています。
「仍然」「仍舊」と言い換えることもできます。
<仍>を使った例文
但詳細原因仍在調查中。
(原因の詳細は未だ調査中だ。)
接種疫苗後仍可能會感染新冠肺炎。
(ワクチン接種後もCOVID19に感染する可能性はあります。)
[4]某屆
ここでは「ある(女子学生が~)」と意訳しています。
「屆」はイベント事を数えるときの単位として使用します。
この場合は「(ある)期(入学の女子学生)」という意味です。
<屆>を使った例文
本屆奧運是第一個延期的奧運。
(今期オリンピックは会期延期となった初めてのオリンピックだ。)
我們是第十屆的畢業生。
(第十期卒業生です。)
[5]學姐/學姊/同學
学校内での呼び方です。男女で呼び名が変わります。
日本語の「先輩/後輩」は会社や特定グループ内での関係性としても使われますが、中国語は「學」の字が表すように、主に学校での人間関係で使用されます。
學長:(男性の)先輩
學姊(姐):(女性の)先輩
同學:クラスメート
學弟:(男性の)後輩
學妹:(女性の)後輩
[6]鬼打牆
ここでは「まるでキツネに化かされたかのような怪現象」と意訳しています。
「堂々巡りする」「視界を遮られる」という意味です。
日本語の「堂々巡り」は「結論が出ない話し合い」の意味合いが強いと感じたので、より直感的に理解しやすい意訳にしてみました。
ちなみに、キツネに化かされた時はタバコを吸うと良いと言ったりしますが、鬼打牆に遭った時は小便をすると良いらしいです。
[7]有類似鳳梨的圓形物
ここでは「(パイナップル)のような(丸い何か)」と訳しています。
日本語の「類似(るいじ)」と同じ用途で使用します。
<類似>を使った例文
我曾經遇到過類似的情形。
(私も前にそんな感じになったことあるよ。)
新冠肺炎和一般感冒的症狀相當類似。
(COVID19の症状は一般的な風邪のそれと非常に酷似しています。)
[8]詭異的人頭
ここでは訳を省略しています。
「詭異」は「変な」「怪しい」という意味です。
<詭異>を使った例文
剛從我背後傳來了很詭異的聲音……
(なんか俺の後ろの方から変な音が聞こえるんだけど……)
其實每個人都有詭異習慣。
(とはいえ、変なクセって誰でもあるよね。)
訳文
『成功大学ー光復男子寮、力行校区、勝八女子寮』
成大の光復男子寮は、日本統治時代の処刑場だった場所に建つY字型の建物だ。屋上に赤レンガの壁があり、俯瞰して見ると「八卦」の図形にも見える。
この寮には「壁抜け幽霊」が出ると言われている。白い何かが部屋を通り抜けていくのを、その階の寮生全員が目撃している。皆、その夜は一睡もできなかったという。
また、社科院の力行校区は元々「日本軍台南衛戌病院」だったところで、建て替え前は手術室や消毒室、霊安室などがそのまま残されていたそうだ。ここでも多くの学生が怪奇現象にあったと語っている。
勝利校区の勝八女子寮には「暗黒の十字架」という話がある。ある女子学生が、自室のシーリングファンで首吊りをした。その後、前後左右の部屋でも怪現象が起こるようになり、それら全部を空室にせざるを得なくなった。日が暮れてもそれらの部屋に灯が灯ることはなく、まるで黒い十字架のようだというのがその由来だ。学生があまりにも怖がるので、後日、学校側は道教の道士にお祓いをお願いし、部屋番号も改編したということだ。
『中正大学ー寧静湖』
中正大学の敷地は、元々は広大なサトウキビ畑と墓地だった。それと関係あるのかどうか、学校付近では歩いても歩いてもなぜか目的地に辿り着けないという、まるでキツネに化かされたかのような怪現象に遭うことが多いという。
校内にある寧静湖では、かつてある女子学生が入水自殺したと言われている。夜、この湖を通りかかると、その学生らしき白い服の女性が水遊びをしているような姿を見かけることがあるという。歌声を聞いたという学生もいるらしい。
また、火の玉の目撃談は校内だけにとどまらない。ある夜、1人の学生がスクーターで走っていると、パイナップルのような丸い何かが落ちていることに気づいた。近づいて見てみると人の首で、腰を抜かすほど驚いたそうだ。