【中国語怪談話】ドンドンドン……

今回のお話は、『ドンドンドン……』です。


本文

『咚咚咚……』

有個鄉下來的女孩子,是班上的超級資優生,因為成績優異,所以高中畢業後,被准許保送到臺北某個出名的大學就讀。鄉下的女生既清純又純樸,[1]哪比的起台北女生的時髦與流行,所以她常是同學的笑柄。經過一年多的耳濡目染,她也成為一個愛打扮的女孩了。本來臉蛋就不錯的她,打扮起來更是吸引人,使她成為很多男生追求的對象。而她也交了一個名門世家的學長,兩人陷入熱戀。

因為彼此實在太相愛了,他們終於發生了進一步的關係,女孩子也懷了孕。因為鄉下的傳統觀念的影響,使得女孩認為這一輩子是跟定他了。可是正值青春的學長卻不這麼想,於是就用了「父母親不接受」的藉口,拋棄了女孩,並給她一筆錢去墮胎。
女孩失望的回到鄉下的老家,她的父母認為這 [2]簡直是天大的恥辱,於是就把她趕了出來,並要跟她斷絕關係。可憐的女孩,在傷心之餘,偷偷取了拋棄他的那位學長的一搓頭髮,放入上衣胸前的口袋,並且身穿紅衣跳樓自殺了。

她的屍體很快被人發現,警察在現場驗屍時,許多[3]群眾都圍了過來。其中一位,正是拋棄她的那位學長。一個在現場的道士注意到了女孩屍體胸前的一搓頭髮,道士似乎了解了,於是[4]很不確定的問 在現場的一位青年與女孩是否有過什麼關係。果然[5]不出道士所料,這個人就是當時拋棄女孩的學長,那學長一五一十的說出他是如何對待她,道士對他說:「你完蛋了,絕對完蛋了。」
他很緊張的問什麼意思。
道士回答:「這個女的死後變成鬼,或許會聽不到、也看不太清楚,她之所以要取你的一搓頭髮,是為了死後能透過你身上的氣味來找你,她有太深的怨恨了!所以要找你尋仇,[6]加上她是身穿紅衣而死,會變成厲鬼來找你。」

男子很緊張的問道士是否有避免的方法,道士對他說:「[7]方法有是有,但是卻無法完全避免。」
於是道士算準了哪一天女鬼準會來找他,在那一天,將會在他身上貼滿符咒,叫他躲回家中床底下,在床上放一件他的衣服。並且囑咐他千千萬萬不可張開眼睛。
「不管發生什麼事,你絕對都不可以張開眼睛,因為這女子死狀實在太悽慘了,你一張開眼睛,就算沒被害死,也會被活活嚇死。」

他為了保住性命,就聽了道士的話,到了女鬼來的那一天,他整天都躲在床下,不敢出來。
夜晚很快就來臨。當教堂的鐘敲了十二下,過了不久,他就聽到「[8]ㄍㄨㄞ……」,門被打開了。
碰碰碰……碰碰碰……,[9]那女鬼果然來了,碰碰……他聽到這聲音,馬上想到道士說的「絕對不可張開眼睛」,他閉緊眼睛,摀上耳朵,祈禱天快亮起來。
那女鬼像殭屍一樣,碰碰碰……跳上樓梯……碰碰碰……越來越近……,ㄍㄨㄞ……房門開了,碰碰……「找不到……」,女鬼發出尖細的哀嚎,把他嚇壞了。碰碰碰……「找不到……」那男的想:「找不到就快走吧!」

女鬼在房中繞來繞去,直說著:「找不到……」,而那男的則是一邊祈禱,一邊念阿彌陀佛。
忽然……女鬼:「找到了……」是一個凶狠且粗糙的聲音。「什麼?怎麼可能會找到我?我完了!我完了!」
他嚇壞了!但又因好奇且不相信的心態,他將眼睛睜開一個小縫……啊……

隔天早上,在他的屋子,警方發現了屍體,臉色蒼白,眼睛嘴巴張的特大,把群眾都嚇了一跳,屍體看起來像是曾受到很大的驚嚇。
事後,道士非常百思不解,他明明躲在床下,為何會被找到呢?於是就向警方詢問那女子的死因。
原來她自殺時,是頭先著地摔死的。道士恍然大悟,那女鬼是用跳的去找那男生,但她卻是頭下腳上的倒著跳,所以那男的躲在床下,[10]反而容易被找到

<出典>
橘子亂說話:https://onl.tw/yYxSQTZ


解説

[1]哪比的起台北女生的時髦與流行
私は「田舎出身という負目もあってか」と意訳しました。
「哪」とは「どこ(哪裡)」や「どれ(哪個)」という用法が一般的ですが、「怎麼」の意味を持たせることもできます。
「哪比的起」は、「比的起(=比較し得る)」に「哪(どのように)」を足しているので、「どうすれば比較し得るか」=「どうやっても比較対象となるわけがない」という反語の表現となっています。

 <哪~>を使った例文
  我哪知道他今天又要爽約!
  (あいつ、来るって言って、来た試しがねーじゃねーかよ!)

  沒有過去的努力,哪會有今天的成就。
  (今日の成果は、過去の努力の賜物に他ならない。)

[2]簡直是天大的恥辱
私は「(そんな彼女を)恥知らずと罵り」と意訳しました。
中国語の「恥」は、日本語の屈辱を意味します。日本語の「恥」よりもちょっと重たい印象ですね。
「簡直」とは「まるで〜」という訳が一番しっくりきそうです。
話者の感覚、感想を強調する単語です。

 <簡直>を使った例文
  台灣的夏天又悶又熱,簡直置身烤箱。
  (台湾の夏は蒸し暑くて、まるでサウナの中にいるようです。)

  她那樣吃卻不發胖,簡直太不可思議了。
  (彼女、あんなに食べても全然太んないって、全くもって謎だね。)

[3]群眾都圍了過來
私は「大勢の野次馬が集まっていました」と訳しました。
「群眾」とは「群衆」、「圍了過來」は「取り囲むように(やってくる)」ということで、つまり野次馬のことを表しています。
自分自身が野次馬になっているときは、「湊熱鬧」「看熱鬧」と言う方がしっくりきます。
「熱鬧(にぎやか)」に「湊(近づく)」したり、「看(見る)」する行為ということですね。

[4]很不確定的問
私はこの箇所は省略しました。
直訳すると「とても不確かに〜〜に尋ねた」という感じなのですが、この段落に重複する描写があったので、しつこくならないように省略しました。

「很」は日本語の「とても」に相当しますが、日本語の「とても」って実はルールがあるんですよね。
例えば
 とても怖い ←→ とても怖くない
 とても美味しい ←→ とても美味しくない
と、否定形の言葉とは馴染まないんです。
この違和感を乗り越えて「很」を使いこなせるようになると、ぐっとこなれた中国語になりますよ。

 <很不~>を使った例文
  我最近很不順利……
  (私は、近頃、とても順調じゃない……)
    =最近、うまくいかないことが多くて……

  他臭屁的態度很不討人喜歡。
  (彼の偉そうな態度はとても好感が持てません。)
    =あいつ、いけ好かなくて、ホント嫌い。

[5]不出道士所料
私はこの部分は(彼女の元恋人の先輩その人でした)と意訳しています。
「不出(誰的)所料」は「不出所料」と略すこともできます。
中国語の「料」には「見積もる」と意味があって、「(すべての)見積もり(の域)を出ない」=「お見通し」という具合になります。

 <不知所料>を使った例文
  他都沒接電話,不出所料他今天忘了帶手機出門。
  (あの人、今日は全然電話に出ないと思ってたら、やっぱり携帯忘れたらしいよ。)

  你筷子拿都不拿,不出所料你不敢吃香菜。
  (やっぱりパクチー苦手だったよね。箸が進んでないと思ったんだ。)

[6]加上她是身穿紅衣而死
私は「あの子が赤い服を着て身を投げたのは(略)」と意訳しました。
中華圏では、赤い服を着て自死することでその死後に復讐を果たすことができるという伝承があり、1792年の頃にはそんな事象を記した書物があるということです。
それには「紅為陽、似生魂」とあり、意味としては「赤は『陽』を表し、生きた魂とみなされる」といった感じでしょうか。
つまり、赤い服を着ていることで生者のようにこの世を徘徊しても神に見咎められず、且つ「陽」の性質で自身も「陰(異界のモノ)」からの干渉を受けない、ということのようです。
中華圏では赤色が好まれることはよく知られていますね。逆に言うと、「陰」をとても身近な存在として捉えていると言えるでしょう。
日本はというと、それらを神として扱うことで不文律としていると言えるかもしれませんね。

[7]方法有是有
私は「あるにはある」と訳しました。
この「是」は「倒是」の用法を踏襲していて、「方法倒是有(一個)」と言い換えることもできます。
「倒是」は、現状や直前に話した内容と反対の事柄を強調して伝えたいときに使います。

 <倒是>を使った例文
  好吃是好吃,不過店內太吵了。
  (確かに美味しいんだけど、店内がちょっと騒がしすぎるね。)

  訂機票通常禮拜日出發的班級較划算,很多遊樂場倒是每禮拜一公休,要事前查詢開放時間。
  (航空券は日曜日出発便がお得だが、月曜定休の施設も多いから、営業時間を事前に
  確認する必要がある。)

[8]ㄍㄨㄞ……
私は「いい子ね……(後略)」と訳しました。
「ㄍㄨㄞ」とは「乖」のことです。「いい子」「お利口さん」という意味で、「いい子にしていなさい」という語気も持ちます。
ここでわざわざ注音符號を使っているのは、日本語であえて全部ひらがな(或いはカタカナ)表記することでぎこちなさを表現する方法と同じ効果を狙っていると言えます。

ところで、台湾に「乖乖」というお菓子があります。
(乖乖股份有限公司:https://www.kuai.com.tw
このお菓子に見覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
主にデータサーバーや主要PCの側に添えられていることが多いのですが、業務の最中にフリーズしようものなら多大な機会損失となるというようなマシンのそばに、「お利口さんにしててね」という願いを込めて置いているんですね。
展示会等でデモンストレーションをする際にも、このお菓子をお守り代わりに置いておくことも多いです。
次回、台湾にいらしたときや、展示会で台湾企業ブースを訪れた際にチェックしてみてくださいね!

[9]那女鬼果然來了
私は「あの女、ほんとうにやってきたらしい」と訳しました。
「果然」とは「やっぱり」という意味です。
誰かから伝え聴いていたり事前に調べて知っていたとしても、その時にならないと本当にそうかどうかわからないという状況で使います。
「やっぱり」を表す言葉として「還是」があります。

 <果然>と<還是>の違い
 (気持ちの表し方の違いというだけで、どちらの場合も「やっぱり」というニュアンスで伝わります)

  甲:欸!你有帶護照過來嗎?
    (おい、パスポート持ってきてる?)
  乙:喔!果然 要提出喔。
    (おっと!やっぱ出さなきゃだよね。)
        =パスポート検査をされると聞いていたけれど、特に誰からも
         何も言われなかったから、
         出さなくてもいい場合もあるんだと思っていた 感じ。

  甲:欸!你有帶護照過來嗎?
    (おい、パスポート持ってきてる?)
  乙:喔!還是 要提出喔。
    (乙:おっと!やっぱ出さなきゃだよね。)
        =パスポート検査をしますという張り紙が貼ってるのを見たが、
         特に誰からも何も言われなかったから、
         いつ出せばいいんだろうと思っていた 感じ。

[10]反而容易被找到
私は「容易く見つけ出したのでしょう」と意訳しました。
「反而」というのは「かえって」「むしろ」という意味です。
期待と真逆の結果になったことを強調するときに使います。

 <反而>を使った例文
  喝啤酒不會解渴,反而讓口渴。
  (ビールを飲んで喉が潤った気でいても、実は逆に渇きが増しています。)

  古典音樂因耳熟,反而讓我無法專心作業。
  (仕事中のクラシック音楽ってさ、耳馴染みのある曲ばかりでむしろ集中できないんだよね。)


訳文

『ドンドンドン……』
田舎育ちのある女生徒のお話です。
優等生で成績優秀だった彼女は、推薦入学で台北の某有名大学へ進学することになりました。
上京したばかりの純朴な彼女は、田舎出身という負目もあってか、流行に敏感でオシャレな台北の子らにからかわれることも度々ありました。
それでも一年が過ぎる頃には台北の街にもすっかり馴染みました。
元より可愛らしい顔立ちの彼女がそれなりに装えば、男達が放っておくわけもありません。そうして、彼女は名家の出の先輩と交際を始めました。

愛し合う二人はやがて男女の関係になりました。自身の妊娠を知った彼女は、この先輩が運命の人なのだと悟りました。田舎育ちで保守的な思想を持つ彼女にとっては当然の帰結でした。
我が世の春を謳歌している先輩は、残念ながらそうは考えませんでした。
「両親に反対されちゃって」と堕胎費用を渡されました。事実上の手切金でした。
心底失望した彼女は実家へと戻りました。彼女の両親はそんな彼女を恥知らずと罵り、絶縁を言い渡して、家から追い出してしまったのです。
なんと可哀想なのでしょう。
捨て鉢になった彼女は、先輩の髪を一房、人知れず入手しました。それを胸ポケットに忍ばせ、飛び降り自殺を図りました。

現場に警察が到着する頃にはすでに大勢の野次馬が集まっていました。その中には、かの先輩の姿もありました。
ちょうど居合わせた道士が一人。女性の胸元の髪の束に目敏く気がつきました。赤い服を着て身を投げた女性……胸元に髪の束……道士はそれだけで事の次第をおよそ理解しました。そして野次馬の一人に声をかけ、この女性との関係について問いました。
道士が声をかけたのは、彼女の元恋人の先輩その人でした。先輩は何もかもを道士に打ち明けました。
「非常によろしくない状況だが、察しておるか?」と道士は問いました。
先輩が震える声でその意味を尋ねると、
「あの子は悪霊になってしまっている。憎悪の感情にすっかり支配されていて、私の呼びかけに応じる気配もない。
あの子が赤い服を着て身を投げたのは、悪霊になってでも復讐を果たすという強い執念の表れぞ。あの髪を頼りにお前の気配を辿るつもりなのだ」

先輩は震え上がり、何か策はないかと道士に尋ねました。
「あるにはある。だが完璧ではない」
道士は悪霊が来るであろう日時を算出し、その日は身体中にお札を貼ってベッドの下に隠れているように命じました。ベッドの上に自分の服を一揃い置いておくようにとも。
道士はまた「何があっても、決してそれを見ようとするな」と言いつけました。
「あの子の死に様は実に悲惨なものだった。一目見ただけでショック死してしまうくらいにな。取り殺されるのを免れたとしても、それでは意味がないのでな」

背に腹は代えられません。先輩は道士が指定したその日、一歩たりとも這い出るまいと早々にベッドの下に潜みました。
やがて日も暮れ、教会の鐘が十二回打たれる音が聞こえるや、「いい子ね……出ておいで……」という声が聞こえてきたのです。
先輩は玄関から悪霊が侵入してきたのを察しました。
トントントン……トントントン……あの女、本当にやってきたらしい。道士に言われた通り、絶対にその姿を見るまいとぎゅっとまぶたに力を込めました。耳も両手で塞ぎ、早く朝になれと祈りました。

トントントンと規則正しく響くその音は、キョンシーのように跳ねながら移動している様を想像させました。トントントン……階段を登ってきた……トントントン……音が近くなった……いい子ね……部屋のドアが開く……トントン……
「どこにいった……」
悪霊の恨めしそうな声に先輩は肝を冷やしました。
トントントン……「どこだ……」
「こっちはお前が来ることは予想済みなんだ!とっとと諦めて出ていってくれ!」と祈るように念じました。

「どこだ……」部屋の中を行ったり来たりしている悪霊の気配を感じながら、早く立ち去れと念仏を唱えていると、
「みぃつけた……」
ふいに粗野な声が聞こえました。
「え?え?え?なんで?なんで?なんで?やばいやばいやばい……」
道士の言いつけ通りにしたのにいったいどうして……
先輩は思わず薄く目を開けると……あ……

あくる朝、先輩の家にはすでに警察が出入りしていました。
血の気を失ったその顔には驚愕の表情が浮かんでいました。
相当なショックを受けたことが見受けられ、それを見聞きした野次馬をも戦慄させました。
ベッド下に隠れていたはずなのになぜ……この寝耳に水の事態に、道士が改めて警察に彼女の死因を尋ねたところ、頭部を下にして飛び降りたとの見解を聞いて合点がいきました。
おそらく彼女は天地逆さの状態で、頭でぴょんぴょんと跳ねながら移動し……
ベッド下に隠れていた先輩を容易く見つけ出したのでしょう……



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Last Updated on 2023年9月19日 by AKIsan