台湾のことを話そう

7月16日、台湾再上陸

台湾への引っ越しを敢行した。当初予定していたタイガーエア便が飛ばないことになったので、急遽同日のエバーエア便を確保。なんとか予定通り台湾入りできた。

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出発の数週間前にタイガーエアから予約便が運行されない旨の連絡があった。日付を変更するか払い戻しかを選べたので、払い戻しの手続きをとって同日のエバーエア便を手配。

「よりによってなぜ今海外へ?」という疑問にお答えすると、もともと長男の中学卒業のタイミングで台湾への引っ越しを予定していたのだ。
当初はこんな感じで考えていた。
  長男:中学卒業後(3月)台湾へ、現地学校に編入
  長女:夏休み(8月)まで中二の学校生活と部活動を満喫してから台湾へ
  私:オリンピックボランティアが終了し次第(8月)長女と一緒に台湾へ
年度がかわる頃からあれよあれよと状況が変化し、長男の出発以降の予定がすっかり狂ってしまった。
オリンピックも延期、部活の新人戦も中止となっては、夏休みの区切りまで待つ意味もなくなってしまったので、いま、台湾にやってきたという次第だ。

いつもなら武蔵小杉からN’exに乗るところだけれど、感染者数が不気味に増加していることもあって早々にレンタカーを手配。余計な出費ではあったけれど、当日はスーツケース大2個、小1個、スポーツバッグ2個の大荷物になってしまったので、ちょうど良かったとも言えた。

レンタカー会社の成田営業所に到着。送迎バスに乗り換えて成田空港へ。
チェックインカウンターで搭乗手続きを行なっている最中にアンケート用紙を手渡された。
中国語と英語で書かれたその紙は、便名と個人情報を提供するものだった。
私は中国語がわかるので特に問題なかったが、日本人渡航者には少し難易度が高いように思われた。

搭乗手続きが済むと、QRコードが記載された用紙を手渡された。搭乗前に入力を済ませるよう指示される。
台湾当局が乗客の個人情報を把握するためのもののようだ。入力内容は個人名やパスポート番号、電話番号……とさっきのアンケートとほぼ同じものだった。

荷物を預けて少し身軽になったので軽く食事でも……と空港ビル内を歩いてみたけど、2/5ほどのレストランは休業していた。
母娘ともに蕎麦の口になっていたのだが、蕎麦屋は生憎休業中。機内食をあてにして搭乗口へ移動する。

離陸してすぐに機内食が提供された。
不織布バッグで提供されたそれは、
  菓子パン大1個、小1個
  ミネラルウォーター小1本
  お菓子1個
あとからパックのフルーツジュースが配られた。
ビールくらいは飲めるだろうと思っていたのでだいぶガッカリだ。
(言えば出してくれたかもしれないけれど)

機内サービスの映画を見ているうちに台湾桃園空港に到着。
機を降りて通路を進むと、簡易カウンターが設置されていて、係員が「ショートメッセージを確認して提示してください」と指示を出していた。
搭乗前のQRコードのアレのことだろう。提供した電話番号宛にショートメッセージが送信されているらしい。それを提示しろということのようだ。

私はSIMフリーiPhoneを使用しているので、SIMを入れ替えれば台湾の電話が即使用可能なのだが、前日まで荷物整理に追われていて、SIMカードが入った箱をうっかり預け入れ荷物の方に入れてしまっていた。
ショートメッセージが提示できない人は「健康声明と自宅検疫通知書」なる書類を手書きで提出すればよいと言われたので記入して提出。
が、この時点で私個人との連絡方法が未確定なので、代わりに台湾国内の緊急連絡人(いわゆる身元引受人)と電話が通じる必要があると言われる。台湾人の夫の電話番号を提供するもなかなか電話口に出てくれない。空港の通路でしばらく待つ羽目に。
待つこと十数分、やっと夫の電話が通じ、預け入れ荷物のターンテーブルへと移動。

搭乗者が少ない(20人前後)こともあってか荷物はすでにグルグル回っていた。
さっそくスーツケースの中から台湾のSIMカードを取り出して装着。衛生福利部からショートメッセージが届いていた。
機を降りてから荷物をピックアップするまで約1時間、通常の通関手続きとほぼ同じくらいの時間で通過できた。

タクシー(防疫計程車)乗り場へ。
隔離場所は指定ホテルか自宅かを選べるのだけれど、いずれにしても公共交通機関の使用が禁止されている。
乗車カウンターで先ほどの「健康声明と自宅検疫通知書」の控えを見せ、別途用紙に名前と住所、電話番号を記入する。
記入している間に、係員が全ての旅行鞄にアルコール消毒液を噴霧して、タクシーのトランクに運び入れてくれた。もちろん乗車する人間にも、乗車前に全身くまなく噴霧される。

5月に日本に帰国したときは成田空港で入国者全員にPCR検査を実施していたので、台湾でも当然あるだろうと思っていたら、果たして検査がないまま空港を出て来れてしまった……
PCR検査の結果よりも、14日間の隔離に重点を置いているように感じた。
確かに、PCR検査の精密度は50〜70%とばらつきがあるようなので、不確実なものを過度に信用しない姿勢は、個人的にとても正しいと思う。

2020年7月23日現在、台湾渡航前にPCR検査を受け、陰性の検査結果を持参する必要があるようだ。
我々の場合は、私:永久居留證保持、長女:台湾国籍と言うことで、検査結果を提出しなくても良い立場だったので事前検査はしていない。
渡航前には、ぜひ 外務省情報 をご確認いただきたい。

自宅前に到着。
防疫タクシーの運賃は、台北およびその周辺地区は一律NT$1,000と決められている。
メーターの表示はNT$1,400位だったので運ちゃんに確認してみると、差額は政府が補填してくれるそうだ。乗車の証明としてレシートにサインする。

私達が降車後、運ちゃんは念入りに車内にアルコール消毒薬を噴霧していた。
当然の処置だと思う。
そういえば、成田のレンタカー事務所から空港まで送迎バスに乗ったけれど、ピストン運行しているであろう送迎バスは、私達が乗る前も、私達が降りた後も消毒をしている様子はなかった。

ご近所のおばちゃんがちょうどゴミ出しに出ていた。「保持社交距離!(ソーシャルディスタンスを保ってね!)」と声をかけつつ二言三言挨拶をする。
我が家の階下に住む鄰長のおばちゃんにも「隔離は30日まで」と声をかけて自宅へ。
台湾では屋外でのマスク着用はもはや必須ではない。

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翌日昼頃、区役所から入電。長女の健康確認。
間も無く外事当局から入電。今度は私の健康確認だ。
長女は二重国籍で台湾人扱い、私は日本国籍(+永久居留証保持)で外国人扱い。
国民か外国籍かで管轄が違うようだ。

その後、公式LINE(中国語)に登録を促すショートメッセージを受信。
メッセージに従って登録すると、毎日10時頃にメッセージが届き、体温や体調の情報を提供するように促される。

現段階では、
  区役所から電話での健康確認
  LINEでの体調情報提供
を毎日行っている。

公式LINEでは体温の入力欄があるのだが、電話での問診は体調についてだけ。体温を尋ねられることはない。
空港で提出した「健康声明と自宅検疫通知書」の控えの裏面にも体調管理チェック表が印刷されているが、体温に関しては「≧38℃」というチェック項目しかない。
体温を指針にせず、自身の体調変化を管理して、異常を感じた場合は当局に連絡してから病院へかかれ……という感じだ。
日本人からすると、自分本位すぎるように見えるかもしれない。
けれど、日本では「『微熱だから』と出勤して翌日感染が判明」という事態も発生している。
皆勤を善しとする日本文化では、「武漢肺炎かもしれないから念のため連続して欠勤する」ことに精神的に抵抗がある人が多数かもしれない。
美徳とされてきた 日本人の常識 が試されているように感じる。

個人情報を提供するのは、面倒だしリスクもある。
例えば、エバーエア機搭乗および台湾入国に際して個人情報の提供を拒否することも当然できたけれど、その場合は「どうぞお引き取りください」となっただけのこと。
個人情報提供で感染ルートの追跡が可能になって国民全体の安全が守れるなら、少々面倒臭くても実施するべきだし、それに従う意味は十分にあると思っている。

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台湾に到着してすぐ、台湾人の友人が電話をくれた。
曰く「東京の夜の街は危ないね。台湾でも夜飲みに行くのは控えた方がいいよ」。
夜の街で感染が広がっているというニュースは、個人的にはとても偏った報道だと感じているけれど、そういう情報が「東京は繁華街さえ気をつければ大丈夫」というイメージを諸外国に与える作用もあるのだろうと感じた。
イメージ操作も大事な戦略の一つだと、経営者の端くれとして感心した。

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台湾入りして5日目に「新北居家防疫關壞包」を受け取った。
(冒頭の写真)
中にはいくつかのお知らせと、マスク14枚、ゴミ袋(25L)4枚が入っていた。


私と娘の分で2セットいただく。
我々は自宅隔離だからちょっと日にちが空いたけれど、ホテル隔離をしている人には即日届いていたのではないかなと思う。

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5月の日本帰国時には、翌日から保健所の電話を毎日受けた。
が、自宅以外の場所で受話していたとしても追跡できていないだろうなとも感じた。
隔離があけて美容院に行ったとき、店長から「二週間真面目に隔離したの?偉いね!若い人たちは電話にも出ないで出歩いてる人が多いって聞いたよ!」と言われた。
台湾でも、隔離期間中なのにコンビニに行った若者のニュースが報道されていた。追跡にはスマホのGPS機能を利用しているとされていたので、スマホをわざと家に置きっぱなしにして外出したのだが、なぜかそれがバレたようだ。

今年2月から、通算して4回目の私の隔離生活。
この半年で体力が落ちたことを実感する。
ロックダウンしたどこかの都市で、狭いベランダを延々行ったり来たりして42.195kmを完走した人のニュースで拝見して、正直なところ「そこまでする?笑」と思っていたけれど……
無事隔離生活が終了したら、
  河原へ行って思いっきりトランペットを吹く!
  家族みんなで屋外プールで行って、ヘトヘトになるまで泳ぐ!
ということをモチベーションにして、残りの日程を消化したいと思う。

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中国語:體溫稍微高(ㄊㄧˇ ㄨㄣ ㄕㄠ ㄨㄟˊ ㄍㄠ)
日本語:微熱
 
 
 

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