[2025WMG]01.ボランティア講習

第九回ワールドマスターズゲームズ(WMG)が台湾で開催されます。
会期は2025年5月17日~30日。
https://wmg2025.tw/jp/home

国際的な催しの会場として台湾が選ばれるのはとても貴重なこと!なんですよ!
ということで、ワタクシはボランティアスタッフとして参加することにしました。

台湾でボランティア活動をするには、講習を受ける必要があります。
私は11月と12月に
  基本の講習:6時間
  WMGの講習:3時間
計9時間の講習を受けました。
二回の講習会の参加者はそれぞれ約70名。
座学とグループワークがあって、私も近くの席にいらっしゃった3名の方と一緒にワークをしました。
これを経て「志願服務紀錄冊(ボランティア活動記録帳)」を受け取ると、公式のボランティアスタッフとして活動することができるようになります。

この講習は、ボランティアを統括する組織によって運営されています。
(台北市の場合はここ。https://newcv101.gov.taipei
ネット経由で登録をするのですが、氏名、住所、身分証番号(パスポート番号)…といった一般的な項目のほかに、銀行口座の入力欄 もありました。
少額ながら補助がでるとのことで、講習会でも「忘れずに入力しておいてください」と念を押されました。

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台湾では、行政サービスカウンターや病院等にボランティアスタッフが常駐していることが多く、揃いのベストを着用しているのですぐにそれとわかります。
例えば郵便局の場合、「弁当代および交通費として150元@回の補助を支給」という待遇であると公式サイトに記載されていました。
継続して勤務すると「栄誉カード」というものが授与されて、博物館等が入場無料になったり、その他施設の優遇制度を利用できたりもします。
ボランティアは持ち出し、手弁当の完全無償であると思っていたので、ちょっとびっくりしました。

これらの制度は2001年に制定された「志願服務法」に準拠しています。
この背景には、1999年9月の「921大地震」があるそうです。
日本はというと、奇しくも30年前の今日、1995年の阪神・淡路大震災が契機であると言われています。
これらの災害を経て、基本的な知識を学んだボランティアが、安全に、且つ適材適所で活動できる組織づくりが進んだのですね。

講習会で一緒にワークをした女性に「日本でもボランティアは盛ん?」と聞かれました。
私自身、それまでボランティア活動に参加したことがなかったので、「特にそれほどでもない」と答えました。
いや、実は東京五輪のボランティアには申し込んでいたんです。講習も受けて、ユニフォームの採寸と申し込みまで済ませたのに、コロナで延期…
その年の夏に日本から台湾へ転居してしまったので、参加は叶わなかったんですよね。
それ以前は全く無縁でした。
気になったので、日本のボランティア事情を検索してみたところ、募集情報がたくさんヒットしました。そのための講習会も実施されていることを知りました。
ただ、わざわざ調べたから知ることができたけれど、日常生活でこういう情報に触れる機会ってあまりなかったように思います。
今回のWMGボランティアも、募集していることを想定してわざわざ検索したから情報を得られたわけですし…
とはいえ、せっかくボランティアとしての資格を得ることができるので、WMG後も私ができそうなものを見つけて、活動を続けていきたいと想っています。

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講習会で心に残ったこと。

1) 「ボランティアの意義とは」
グループ内でこのお題について話し合いをして、それぞれの代表が発表したのですが、たくさんたくさん出てきました。
そのうちの一つが「施比受更有福」、日本語にするなら「与えるは受けるより幸いなり」といった感じ。
そしてもう一つは「付出還要說感恩」、日本語なら「与えて尚も感謝するなり」という感じです。
仏教の教えに通じるものがありますね。
そもそも「ボランティアの意義とは」なんて深く考えたことがなかった(人様の役に立ちたいな…という曖昧な程度だった)ので、とても良い機会となりました。

2) 声がけは「你好」で
「ボランティアとして声をかけるときは『你好』が良いでしょう」と講師がおっしゃったんです。
「你好」はご存知のとおり「こんにちは」という意味ですが、台湾の日常生活でこれを言う機会はほとんどないんですよね。
例えば、駅に向かって歩いている途中で隣家のおじさんに会ったとしたら、「おじさん(阿伯)!」と呼び掛けます。それが「こんにちは」の挨拶と同義なのです。
公園で、ちっちゃい子がすぐ近くを通ったときに、思わず「バイバイ」と手を振っちゃうことってありますよね。そうすると、そばにいる保護者(お母さんだったりおばあちゃんだったりおじいさんだったり)が「叫阿姨啊(『おばさん』って言いなさい(挨拶しなさい)」と子供に教えるわけです。
これがレストランだったら、客が店員を呼ぶときも、店員が客を呼ぶ時も、「先生(Mr.)」、「小姐(Miss)」と呼び掛けます。
相手の性別(と年齢)によって呼び掛け方が変わるわけなんですね。
私が髪をショートカットにすると、男性に間違われるということが年に数回はありまして。
台湾でなら「先生!」とフードコートの店員さんに呼ばれたり、日本では「お兄さん、ありがとね」とゴミ捨てを手伝ったおばさまに感謝されたりしちゃうんです。女性の平均身長よりも上背があるし、パンツルックでいることが多いしで、この勘違いも致し方なし、と受け入れていたんですが。
こうした“見た目で性別を特定して呼び掛ける”風習は今の時代にはそぐわないのだと講師が明言されたので、「ジェンダーレスの時代になったのだなぁ」と感じたのでした。

 
 
 

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Last Updated on 2025年1月26日 by AKIsan