旧暦七月「鬼月」の始まりです

旧暦七月になると「鬼門」と呼ばれるこの世とあの世を隔てる門が開きます。
今年は8月4日がその日。
鬼門が閉まる七月末日(今年は9月2日)まで、ご先祖さまを含む亡者たちが娑婆へ繰り出していると言われています。
台湾では「縁も所縁もある方達だから」と彼等を「好兄弟」と呼んでお供え物を供えます。
店舗入り口やオフィスビル入り口に設置したテーブルの上に、お菓子や果物、飲料等をいっぱいに並べられ、線香が焚かれている光景を見たことがある方も多いことでしょう。
さて、好兄弟が徘徊している鬼月の約1ヶ月は、鬼月ならではの禁忌があります。
1. 日が暮れてから写真を撮らない
夜は特に映り込みやすいと言われています。
2. 病院にはなるべく行かない
病気や死と関係が深く、悪い気が集まりやすいと言われている場所。長居は無用です。
3. 疲れないように注意
睡眠不足や疲労で“氣”が落ちている身体は、成り代わろうとする好兄弟に狙われやすい。
疲れる=憑かれる。無理は禁物。
4. 最終電車、バスに乗らない
波長の合った好兄弟を家に連れ帰ってしまうから。
5. 不動産を買わない、引っ越しをしない
鬼月は「何事も適さない」ので、高額な買い物も避けるべきと言われています。
引っ越しに適さないのは、引っ越し荷物に“不浄のモノ”が紛れ込む可能性があるから。
6. 夜中に口笛をふかない、大きな音を出さない
久々の娑婆でパーティ気分の好兄弟を呼び寄せてしまいます。
(『♪夜は墓場で運動会』の光景が目に浮かびますね)
7. 名を呼ばれても振り向かない
後ろから誰かに呼ばれても迂闊に振り向いてはいけません。
あなたにしか聞こえていない声かも知れません。
8. 夜遅くまで外にいない、水遊びをしない
夜遅くまで出歩いていると、好兄弟に出会う確率も高くなります。
同じ理由で水辺には近づかない方が良いです。
9. 壁際を歩かない
好兄弟は涼しい壁際に沿って歩くと言われています。
壁際を歩いたり壁にもたれたりしてはいけません。
10. 日が落ちる前に洗濯物を取り込む
ハンガー干ししているTシャツ等、人型をした物には憑きやすいようです。
他にも、車を購入してはいけない、結婚式を挙げてはいけないのは、(5)の「何事にも適さない」という理由から。
道端に落ちている物を拾わない、持って帰らないというのは、それらを持ち帰ることで、家の中に招き入れてしまうからでしょう。
その反面、「鬼月生まれの子は一生食うに困らない」などと言ったりもします。
旧暦にまつわる行事はまだまだあります。
またの機会に紹介します。
Last Updated on 2025年2月15日 by aki.tw