台湾で部屋探し〜1年目はビジネスホテル風01

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台湾でまずは住まい探し。
台湾では家具付きで部屋を貸してくれるところも多いので、初期費用はそんなにかけずに済む。
来台後の当面はホテル暮らしをして、その間に住まいを探そうと思ったのだが、あれこれ内見してもなかなか決め手がなくて、ホテルの予約日程を消化してしまった。
元同僚が旦那さんの赴任で台湾に居を構えていたので、部屋が決まるまでの間お世話になることにした。

台湾では単身者向けの間取りはほとんどなくて、ファミリー向けの3LDKだかをルームシェアするのが一般的だ。
家族が独立、または海外へ移住したなどの理由で空いた部屋を貸し出すことが多いようだ。賃貸契約は不動産屋を介さず物件オーナーと直接交渉する。
ルームシェアを利用していたクラスメイトの一人は、「退去する際は、自分の代わりの入居者を仲介すること」というハウスルールがあると言っていた。家賃負担に変更が生じないような工夫がなされていた。

いまは日本でも民泊(Airbnbなど)やルームシェアが当たり前になったけれど、2000年当時の私には、こんなふうに暮らすことが驚きだった。
台湾人だけじゃなく他国の留学生もこの制度をすんなり受け入れているのを見て、さらにカルチャーショックを受けた。
他人との共同生活を長期間続けることにプレッシャーを感じたからだ。
「暗黙の了解」とか「言わずもがな」とか「空気読め」が当たり前の社会でずっと暮らしてきた弊害と言えた。
日本語は主語を省いて話す言語なので、中国語や英語などと比較すると「主張」が下手だ。
「察する文化」にどっぷり浸かっていた私は、「ちゃんと言わなくちゃ伝わらない」領域へ踏み込むことを先送りにした。
件の元同僚に日本人向け(赴任者向け)賃貸を扱っている不動産屋さんを紹介してもらい、いろいろ迷った末に、晶華酒店 近くの雑居ビルの7Fのワンルームに決めた。
ビジネスホテルの一室ほどの間取りだったが、荷物も少なかったし、テレビ、クロゼット、冷房、ユニットバス付きで、フロア共用の洗濯機と乾燥機があった。捷運の駅に近いのもよかった。

Youtubeもスマホもない時代だ。部屋付きのテレビがあったとしても、知らない芸能人が中国語で話してるから全然楽しめない。かろうじていくつかある日本語専用チャンネルで古いドラマを見たり、たまにNHKに合わせてみたりするしかなかった。
居場所がやっと決まったものの、当初は孤独を強く感じた。
国際学生寮的なものは「もうじき30のおばさんが、10代〜20代前半の子に混じっても馴染めないだろう」とはなから選択肢に入れなかったのだが、考慮すべきだったと思う。いま留学を考えている人には、学校が提携している学生寮に入ることを強く勧めたい。少なくとも最初の半年くらいは、言葉が話せなくても、土地に馴染み人に接する機会を強制的に持った方がいい。

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中国語:人生地不熟(ㄖㄣˊㄕㄥ ㄉㄧˋㄅㄨˋㄕㄡˊ)
日本語:知り合いも無く土地にも不案内


 

Last Updated on 2021年6月24日 by